30年物?のミニ耕運機 HONDA「こまめ」F210 の車軸を修理して新品同様に!?
2010年にヤフオクで落札したミニ耕運機 HONDA こまめ F210。
その時すでに20年落ちくらいだったのでもう30年ものの骨董品ですが、まだまだエンジンは元気いっぱいです。
でも、車軸のオイルシールがやられて油漏れが激しくなってしまいました。
今回はオイルシール交換と車軸の修理をしてみました!
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HONDA こまめ F210
言わずとしれたミニ耕運機のベストセラーです。
タマも豊富で、ヤフオクで当時20K円にて落札しました。
見ての通りボロボロでしたが、エンジンは一発で掛かりました。
まずはひと安心~
あ、送られてくる時はエンジンオイルもミッションオイルも抜いた状態でしたのでどちらも自分で入れました。
ところが!
少し経った頃、車軸の付け根から油が漏れているのを発見・・・
古くて安かったから何かある、とは思ってましたが
油漏れですか
最初の油漏れ修理
構造は単純だし油漏れは車軸のオイルシールからだとすぐわかったので、まずはヤフオクの販売者(ストア)に連絡をすると初期不良扱いとしてオイルシールを1組送ってくれました。
良心的なストアさんで良かった~
でも、オイルシールを交換するためには
1.車軸からローターを外し
2.オイルシールを外し
3.新しいオイルシールに交換
4.ローターを組み付ける
たったこれだけの作業。
たったこれだけのはずが、実際やってみると実に大変だったのです。
※一度やって構造と手順が解ってしまえば大したことないんだけどね(^^)
ローターを抜くピンが錆びついてなかなか抜けなかったり、車軸とローターも錆びついていたりピン穴が膨らんでいたりしてこれも抜けない(~_~;)
最大の難所はオイルシールを抜く方法を知らなかったこと。
ちょっとしたコツと力技で抜くんですけど、簡単には抜けてくれません(;´Д`)
GOOGLEで調べて「ドライバーでこじる」と書いていた人がいたのでやってはみたものの、鉄板で補強されているタイプだったためビクともしません。
仕方ないので電ドルで穴を開けてドライバーを差し込みコジコジ
何とか抜くことが出来ました。
後は新しいオイルシールに交換してローターを取り付けて終了。
2度めの油漏れ修理
2017年にも油漏れが起こったので再度修理したのですが、今回はオイルシールをHONDA純正部品ではなく同じサイズの市販品を使うことにしました。
HONDA こまめ用純正オイルシール
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純正部品は当然安心して使えるが・・・高い!
相当品は 武蔵オイルシール工業製の UE204010 と UE204710
2個でなんと\526(モノタロウ)
商社経由で買えばもう少し安かったけど、納期が1週間ほどかかるため当日出荷可能だったモノタロウから購入しました。
1度交換を経験しているのでもうお手の物。
特に苦労することなく交換は終了したのですが、さすがに20数年使用してきた車軸のオイルシール面に傷が入っているのを発見。
傷の部分とオイルシールが擦れるため近いうちにまた油漏れするなぁ
そう思いなじみの農機具屋にこまめF210の車軸を見積もってくれるように依頼しました。
程なくして見積りの回答があり、まだ手に入るんだ~と思っただけで忘れてしまいました。
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3度めは車軸も修理することに(T_T)
そして2020年、オイルシールを交換して4年経たずにまた油漏れです。
やっぱり車軸の傷が原因でしょうね。
で、車軸の見積を思い出して注文することにしたのです が!
メーカーが製作を止めてしまって入手不可!!
あの時頼んどきゃよかった~(大泣)
仕方ないのでまずバラします。
車軸からローターを抜く
ローターを止めているピンから止め輪を外し
ピンを抜きます
すると、車軸からローターがすぽっと抜ける
オイルシールを抜く
右のオイルシールから抜きます
はまず電ドルで穴を開け
手頃なネジを突っ込んでプライヤーでこじり抜きます
オイルシールの奥に止め輪が見えるので
ラジオペンチで輪を縮め
抜き取ります
車軸を抜く
左側から優しく車軸をこんこんして
車軸を抜きます
右のベアリングも一緒に抜けてくる
左はオイルシールを抜くだけ
すでに軸が抜けているので簡単に外せます
車軸を観察
抜いた車軸をキレイにしてオイルシール面を観察すると
右も左もやっぱり傷が激しいです
これではオイルシールもすぐやられてしまいますね
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車軸の修理
やることはこの傷をキレイにすることですが、傷の部分を削り取って、細くなった分をメッキで太らせ、元の太さになるように再度削るのです。
まずは傷の部分を削り取ります
中央のギヤ部分から12mmの範囲はベアリングが入るので削りません
両側とも同じように直径で0.15mm削りましたが傷は消えませんでした
これ以上削るとメッキで肉盛りするのが大変になるので研磨は止めてメッキに出しました
ハードクロームメッキ(HCR)と言って大変に硬いメッキです
中央のギヤ部分とその両側12mm範囲にはメッキしません
メッキした部分がギラギラと輝いています
HCRのメッキ厚は片側0.1mm程度にしました
10K円もかかってしまった(T_T)
これを研磨して仕上げます
削ってメッキした部分と元の部分では色が違いますね
直径は19.98mm
段差はほとんどありません
シール部分にほんの少し傷が残りましたが問題ないでしょう
組み立てれば完成
組み立てやすいように、ギヤボックス下のカバーを取って中身を広げてあります。
左のベアリングは抜いていません
奥にはエンジンの回転を伝えるベベルギヤがあります。
ホコリが入らないようにキレイにしておきましょう!
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まずは左のオイルシールを挿入します
シールリップの内側に少しグリースを塗って
※塗り過ぎは良くないので少しだけ
ケースに挿入しやすくなるようにシールの外周にも薄くグリスを塗ります
手で入るところまで入れたら
木っ端をかませて木槌でコンコンします
金づちで直接叩いちゃいけません
壊しちゃいますよ!
車軸とギヤの組み込み
まずは仮組みしてみて向きの確認をします
確認したら一旦ばらして
ギヤを定位置に入れて噛み合わせ
右側から車軸を挿入します
うまく入ったら右のベアリングを奥まで挿入
止め輪を挿入して
ベアリング手前の溝にしっかり入ったことを確認
実は止め輪を入れずにオイルシールを組んでしまい
せっかく入れたオイルシールを抜く羽目に(T_T)
皆さんもお気をつけくださいね!
左と同様にグリスを塗ったら右のオイルシールを挿入します
木っ端では叩きづらいので木槌でトントン
決して強く叩いてはいけません
壊すほどには・・・
あとはギヤケースのカバーを取り付けて車軸周りの組み立て完了です
パッキンとカバーには向きがあるので気をつけて。
ローターを組み付けたら試運転!
カバーが付いたところ
メッキの乗った車軸はもう錆びません
ビカビカしてます
グラスガードを付けて
ローターを挿入して
ピンと止め輪で固定~
空になったギヤオイルを入れたら
エンジンGO!
トゥルルルル~♪
軽快な4サイクルのエンジン音を響かせこまめが畑を進んでいきます
あの時車軸を頼んでいれば5K円程度で済んだのに・・・
というのは置いといて
ギヤ部分にへたりが無かったので何とか修正できました!
今回の修理費は・・・約16K円・・・
組み換え工賃は自力なので0円としても少々高かった
でもこれからエンジンが逝ってしまうまでこき使うので目指せ50年物!
当たり前ですが、2週間経ってもオイル漏れはありません
このままず~っと、オールドこまめと楽しい自家菜園生活していこうと思っています
追記(2021.5.10)
1年経過!
この1年間にこまめが稼働した時間は10時間にも満たないと思いますが、車軸にはハードクロームメッキを施したので新品よりも摩耗に強くなっています。
後20年くらいはもつんじゃないでしょうか?
当然ながら油漏れは無し。
快調に稼働しています~
やってよかった♡
ディスカッション
コメント一覧
クロムメッキでシャフト再生!、機械愛がすばらしいと感じました。
小生も同型(KS)を所有、オイルシールは1度交換後、エンジンオイルの速めの交換に心がけ使用し続けています。2年前に再交換用オイルシールを準備しましたが、現時点でも漏れなしで頑張っています。
夏場、硬く締まった畑50坪をフルパワーで耕した所、軽い焼き付き現象(白煙)が発生し早々に作業中断。
エンジンオイルを抜くも、金属摩耗片も無く、通常の10W30にクロモリを少々追加して再始動、始動時に薄い白煙が出るも、無負荷30分で異常無し、無負荷30分+クールダウン30分を三回繰り返し、始動時の白煙が気にならない程度になったので、使用再開し問題無く元気良く働いています。
昨年、脊柱管狭窄症を患ってからは、軽トラに乗せることも無くなりましたが、農機具小屋近傍の小畑(約80坪)で重宝しています。